「特にやりたいことがない」「将来が見えない」——高校3年生の夏、私はまさにそんな状態でした。
それでも、なんとなく過ごすだけの毎日を変えたくて、思い切って海外の大学進学を決めたのが私の“最初の自分で決めた選択”でした。
この記事では、日本の公立高校からイギリス・ロンドン芸術大学(University of the Arts London / UAL)へ進学した私の体験を、リアルにお伝えします。

日本での高校生活と「やりたいことが見つからない」日々
私は日本生まれ、日本育ち。高校まではずっと日本で過ごしました。
高校受験のときも「家から近くて校則がゆるいから」という理由で学校を選び、特に勉強にも進学にも強いモチベーションがあったわけではありませんでした。
そんな私が、初めて「自分の意思で決めた」と言える選択が、イギリスの大学進学だったのです。

渡英を決めたきっかけ
きっかけは高校3年生の夏。
進路を考える時期になっても特にやりたいことが見つからず、なんとなく毎日を過ごしていました。
そんなときに「海外の大学へ進学する」という選択肢を知り、興味を持ち始めました。
英語が得意だったわけでも、特別な夢があったわけでもありません。
ロンドン芸術大学での学びと転機
イギリスではまずファウンデーションコース(大学進学準備課程)を経て、ロンドン芸術大学に入学しました。
専攻は舞台芸術(Performance Design)。元々ミュージカルが大好きで、渡英後に観た『オペラ座の怪人(Phantom of the Opera)』が、私の進路を決定づけました。
照明デザインに興味を持ってスタートしたものの、コロナ禍で制作活動が制限される中、徐々にプロデュースやディレクションなど、舞台を“作り上げる側”への関心が強くなっていきました。

英語との格闘と、コミュニケーションの壁
大学に進学してすぐに感じたのは、自分の英語力のなさでした。
特に読むことが苦手で、課題のレジュメやリーディング資料を理解するのにとても苦労しました。
そんな中、自分は“読むより聞く方が理解できる”タイプだと気づき、課題のレジュメをすべて読み上げ機能で聞いて学習するようにしました。
時間はかかりましたが、自分に合った方法を見つけられたのは大きな収穫でした。
一方で、話すことの難しさにも何度も直面しました。
プレゼンテーションやチューターとの面談で、自分の考えがうまく伝わらないたびに歯がゆい思いをしました。
特に舞台制作の現場では、コミュニケーションがすべてです。
大道具、衣装、照明、音響など、さまざまな人が関わり、一つの作品を作り上げていくため、意思疎通が取れなければ成り立ちません。
プロデュースを担当するようになってからは、演者のコールシート作成やバジェット管理、各部門とのすり合わせなど、仲介役として動く機会が多く、英語を「完璧に話す」ことよりも「伝わるように使う」ことの重要性を実感しました。
もちろん文法のミスはありますし、ネイティブのように話せるわけではありません。
でも、たとえ英語が正しくても、相手に伝わらなければ意味がない。
英語は“ツール”であり、伝えることが目的——この意識の変化が、私の大学生活の中で最も大きな成長だったと思います。

コロナ禍と「叶わなかった時間」
大学生活の途中でコロナが直撃。
本来なら現場で学べるはずだったインターンやプロジェクト制作が思うようにできず、悔しい気持ちが続きました。
それでもオンライン授業や個人制作を通して、「表現を止めない」という強さを学べたように思います。

卒業後の就職活動と葛藤
卒業後はGraduation Route(卒業後ビザ)を利用してイギリスに残り、就職活動をスタート。
「とにかくイギリスにいたい」という一心で、さまざまな分野へアプライしましたが、最初の頃はお祈りメールの連続でした。
それでも、少しずつチャンスを掴み、今は幸運にもイギリスで仕事をしながら暮らしています。

最後に——“意欲”は後からついてくる
あの頃の私は、何かを強くやりたいと思っていたわけではありません。
それでも一歩を踏み出したことで、学びたいこと・やりたいことが自然と見えてきました。
「やる気が出ない」「将来が見えない」そんな人ほど、環境を変えてみることで見えてくるものがあると思います。
私にとってそれが、“イギリス留学”でした。

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