イギリスの大学・大学院を卒業すると2年間イギリスで就労・就職活動ができます

2021年7月2日

ロンドンを含むイギリス・イングランド南部ではしばらく雨模様が続いていますが、心地よい夏の気候を楽しめています。

まだ本格的な暑さは到来していませんが、7月に入り、気分は夏という方も多いのではないでしょうか。

 

イギリスの大学・大学院留学の魅力が増えました

さて、イギリスの大学・大学院は世界中の留学生が憧れる魅力がたくさんありますが、2021年7月1日から、更にイギリス留学を検討したくなる魅力が増えました。

この度、ビザ制度の改定により、対象となるイギリスの大学・大学院を卒業された方は、学生ビザ「Student visa」から「Graduate visa」という大学卒業者向けの新しいビザに切り替え申請を行うことで、イギリスに2年間滞在し、就労または就職活動を行うことができます。

 

対象となる大学・大学院

「Higher Education Provider with a track record of compliance」に指定されている大学・大学院のみがGraduate visaの対象となるため、在学・進学予定の大学・大学院が対象校であるかは自己責任にてご確認いただく必要があります。

確認方法は大学担当者にお問い合わせいただくか、イギリス政府の公式サイトから「Register of Student sponsors」をご確認いただき、「Status」が「Student Sponsor – Track Record」であればGraduate visaの対象と判断できます。

 

Graduate visaの有効期間

Bachelor’s degree(学士号)またはMaster’s degree(修士号)を授与された卒業生はイギリスに最長2年間滞在できます。

Doctoral student(博士課程の学生)として大学院を修了された卒業生はイギリスに最長3年間滞在できます。

 

なお、いわゆる正規留学で卒業し、イギリスの大学・大学院から学位(Degree)を授与されないと条件を満たさないため、交換留学生や大学学部進学準備コースであるファウンデーションコース、大学院進学準備コース、大学が提供する英語コース修了者はこの制度の対象とはなりません。

 

ビザの切り替え申請費用

学生ビザ「Student visa」からGraduate visaへの切り替えはイギリス国内からのみ申請できます。

大学のコース終了後、イギリスを出国してしまうとイギリスに学生ビザ「Student visa」で再入国することが難しくなり、Graduate visaの申請資格がなくなってしまいます。

あくまでもイギリスの大学・大学院を卒業されたら、イギリス国内に留まり、就労または就職活動をすぐにはじめる方が対象となります。

 

そのため、例えばイギリスの大学・大学院を卒業後、日本に数ヶ月間帰国してからイギリスでの就労を考えている方はGraduate visaの対象外となってしまいます。

Graduate visaをイギリス国内で申請・取得してからイギリスを出国し、再入国することは可能です。

 

ビザ申請費用は£700(約105,000円、£1 = ¥150で換算)です。

その他、Immigration Health Surchargeとして年間£624(約93,600円)支払う必要があるため、2年間有効なGraduate visa対象者は£1,248(約187,200円)、3年間有効なGraduate visa対象者は£1,872(約280,800円)を支払います。

Immigration Health SurchargeはNHSを利用する予定の有無に関わらずビザの有効期限分、支払います。

1年間のみイギリスに滞在する予定の方でもビザの有効期限分の支払いが求められることに注意しましょう。

 

ビザ申請費用とImmigration Health Surchargeの費用を合わせると、以下の費用が発生します。

  • 2年間の場合:£1,948(約292,200円)
  • 3年間の場合:£2,572(約385,800円)

 

Graduate visa取得には上記の通り、高額な費用が必要となるため、資金計画を慎重に立てることが重要となります。

特に就職活動を予定されている卒業生は、就労されない間の生活費を賄う必要がありますので、ビザの申請に必要な経費に加えて、イギリスで生活を送るための資金が必須となります。

 

就労ビザへの切り替え

Graduate visaから就労ビザ「Skilled Worker visa」に切り替えることで、継続してイギリスで就労することが可能となります。

Graduate visaはイギリスの永住権「Indefinite Leave to Remain」の条件を満たす期間の対象とはならないため、就労ビザ「Skilled Worker visa」で更にイギリスに5年間滞在することで永住権の申請資格を得ることができます。

 

または、Graduate visaの期間を含めてイギリスに継続して10年間滞在された場合は永住権の申請資格を得ることができます。

例えば、イギリスの大学・大学院進学前にイギリスの学校に数年間通われた方や、特定のビザでイギリスに滞在されていて、学生ビザ「Student visa」に切り替えた方は対象となります。

 

 

 

イギリスのビザ制度は非常に複雑で改定が繰り返されていますので、Graduate visaの対象者は大学担当者と密に連絡を取り、慎重にビザ申請を行っていただくことを強くおすすめいたします。

 


 

Graduate visa

https://www.gov.uk/graduate-visa

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