イギリスの住所は日本の住所と大きく異なるため、あらかじめ住所の書き方・ルールを把握しておくと留学生活や観光旅行で初めての土地に行っても、落ち着いて行動できます。
シリーズ第1弾は以下からご覧いただけます。
→ 「イギリスの住所の仕組みを知ろう Part 1:ポストコード」
https://www.ryugakuatuk.com/how-uk-addresses-work-postcodes/
シリーズ第2弾の今回はイギリスの道で見かける看板、ストリートサイン(Street Signs)に注目して見てみましょう。
Lord North Street
SW1
Parliament Street
SW1
Downing Street
SW1
Great Scotland Yard
SW1
Buckingham Gate
SW1
上の写真のはロンドン南西部の通りを写しています。
通り名(Street names)と一緒に、「SW1」と表記されています。
「SW1」はロンドン南西部(South West)の1区(ロンドン南西1区)という意味です。
ロンドン特別区「City of Westminster(シティー オブ ウェストミンスター)」にあるため、その表記も看板にあります。
他の地区も見てみましょう。
Carnaby Street
W1 ー ロンドン西1区
このようにポップなデザインも見かけます。
Hookers Road
E17 ー ロンドン東17区
ストリートサインは行政区が設置しているため、地区毎にデザインや形式が異なります。
設置場所は建物の1階(イギリスでいう地上階、Ground floor)と2階(イギリスでいう1階、First floor)の間当たりの外壁や、道路上の低い位置、目線より高い位置と様々です。
また、RoadをRd.のように省略した表記にしている看板もよく見かけます。
Kensington Gore
SW7 ー ロンドン南西7区
Sloane Street
SW1
上の写真はこれまでに紹介した他の写真と違い、フォントや看板全体のデザインがより洗練された印象を受けます。
洗練された街並みに溶け込むようにという、管轄の行政区の意向が見受けられます。
「Borough of Chelsea(バラ オブ チェルシー)」、正式名称「the Metropolitan Borough of Chelsea」は1900年から1965年3月まで存在したロンドン南西部の行政区で、その時の名残を看板から感じることができます。
1965年より前からある50年以上の歴史ある看板が今もなお使われているのがイギリスのいいところでもあります。
1965年4月以降は「Royal Borough of Kensington and Chelsea(ロイヤル バラ オブ ケンジントン アンド チェルシー)」として、隣接するケンジントン地区と統合されています。
ケンジントン地区にはKensington Palace(ケンジントン宮殿)がありイギリス王室との関係があることから、行政区の名称に「Royal(ロイヤル)」が付いています。
上の写真をよく見ると「SW1」の表記が終止符(フルストップ、ピリオド)付きの「S.W.1」となっていますね。
1960年、70年代以降からは現行のポストコード制度がイギリス全域に導入されたのと同時に、各文字の終わり、場合によっては数字の終わりにも終止符を打つ習慣が廃れたため、看板の終止符からも歴史を感じることができます。
古くは「S.W.1.」や「S.W.1」と表記していたポストコードが「SW1」と簡素化された流れがあります。
Kensington Church Walk
W8 ー ロンドン西8区
この看板も「The Royal Borough of Kensington」と「KENSINGTON CHURCH WALK. W.8.」という表記から古い看板であることが分かります。
同じ通りには「The Royal Borough of Kensington and Chelsea」と書かれた看板もありますので、ストリートサインを観察してみると面白いかもしれません。
イギリスのストリートサインはただ道の名前が書かれているだけではなく、その道や管轄の行政区の歴史を紐解くことができる魅力が詰まっています。
イギリスの住所の仕組みを知り、ストリートサインに注目してみると今まで見えなかったイギリスの魅力、歴史に気づくことができるかもしれません。
ぜひイギリスに留学や観光で訪れた際は、ストリートサインも楽しんでみてください。