イギリスの住所の仕組みを知ろう Part 1:ポストコード

2019年8月30日

イギリスの住所は日本の住所と大きく異なるため、あらかじめ住所の書き方・ルールを把握しておくと留学生活や観光旅行で初めての土地に行っても、落ち着いて行動できます。

 

日本の住所は、郵便番号 → 都道府県 → 市区町村 → 住居表示・地番と郵便番号の後は大きい区分から小さい区分の順で書きますよね。

 

例えば、日本の国会議事堂の所在地は以下の通りです。

 

〒100-0014 東京都千代田区永田町一丁目7番1号

 

区分ごとにみると、

 

郵便番号:〒100-0014

都道府県:東京都

市区町村(区):千代田区

市区町村(町):永田町

住居表示:一丁目7番1号

 

となります。

 

 

ところが、イギリスの住所は反対に、小さい区分から大きい区分の順に書き、ポストコードを最後に書きます。

 

例えば、イギリスの議会の議事堂、ウェストミンスター宮殿の所在地は以下の通りです。

 

UK Parliament, Westminster, London SW1A 0AA

 

短く思われるかもしれませんが、以上が正式な住所です。

国外からの郵便等のやり取りでは、最後に国名を追加し、

 

UK Parliament, Westminster, London SW1A 0AA United Kingdom

 

もしくは、

 

UK Parliament, Westminster, London SW1A 0AA UK

 

と書きますが、それでも日本の住所より短い印象ですね。

国名は「United Kingdom」もしくは「UK」のどちらでも構いません。

 

イギリスの正式名称に関しては「イギリス、UK、イングランド、英国 ー 意外と知らないイギリスの正式名称」をご覧ください。

 

区分ごとにみると、

 

建物名:UK Parliament

地域名:Westminster

都市名:London

ポストコード:SW1A 0AA

 

となります。

 

ポストコード(Postcode)は日本の郵便番号のような役割を果たしますが、アルファベットと数字の組み合わせのため、番号ではなくコードと呼ばれます。

Postal codeやZIP codeという名称もありますが、イギリスではPostcodeという表現が一般的です。

ZIP codeは主にアメリカ合衆国で使われています。

 

ポストコードの形式は決まっていて、以下の6通りがあります。

Aがアルファベット、9が数字を表します。

 

AA9A 9AA

A9A 9AA

A9 9AA

A99 9AA

AA9 9AA

AA99 9AA

 

前半と後半のコードに別れていて、前半のOutward codeは地域により異なり、2桁から4桁、後半のInward codeは必ず3桁です。

前半と後半はスペースで区切ります。日本の郵便番号のようにハイフンでは区切りません。

その他にもポストコードのルール(アルファベットや数字の使い方)は非常に細かく決まっています。

 

以下は6種類のポストコードが実際にどのように使用されているかの例です。

 

AA9A 9AA:SW1A 0AA(ウェストミンスター宮殿)

A9A 9AA:W1T 4JZ(BTタワー)

A9 9AA:W8 4PX(ケンジントン宮殿)

A99 9AA:N22 7AY(アレクサンドラ・パレス)

AA9 9AA:BA1 1LZ(ローマン・バス)

AA99 9AA:EH12 9DN(エディンバラ空港)

 

前半のコードは大まかな地域を区分する役割があり、Bはバーミンガム(Brimingham)、CVはコベントリー(Coventry)、Eは東ロンドン(East London)、EHはエディンバラ(Edinburgh)、Lはリバプール(Liverpool)、YOはヨーク(York)と地名から推測できる仕組みです。

後半のコードは郵便配達の際に必要となり、住所の特定に必要な情報です。

 

 

【ロンドン市内とその周辺地域のポストコード】

E1 – E20:東ロンドン(East)

EC1 – EC4:東ロンドン中心地(East Central)

N1 – N22:北ロンドン(North)

NW1 – NW11:北西ロンドン(North West)

SE1 – SE28:南東ロンドン(South East)

SW1 – SW20:南西ロンドン(South West)

W1 – W14:西ロンドン(West)

WC1 – WC2:ロンドン中心地(West Central)

 

BR:ブロムリー(Bromley)(南東ロンドン、一部ケント北西部含む)

CR:クロイドン(Croydon)(南東ロンドン、一部サリー北東部含む)

DA:ダートフォード(Dartford)(南東ロンドン、一部ケント北西部含む)

EN:エンフィールド(Enfield)(北ロンドン、一部ハートフォードシャー南部とエセックス西部含む)

HA:ハロー(Harrow)(北西ロンドン、一部ハートフォードシャー南部含む)

IG:イルフォード(Ilfrod)(東ロンドン、一部エセックス南西部含む)*

SL:スラウ(Slough)(バークシャー東部、バッキンガムシャー南東部)

TN:タンブリッジ・ウェルズ(Tunbridge Wells)(ケント南部、イースト・サセックス北部と東部、一部ブロムリー含む)

KT:キングストン・アポン・テムズ(Kingston upon Thames)(南西ロンドン、サリー北部)

RM:ロムフォード(Romford)(北東ロンドン、エセックス南西部)

SM:サットン(Sutton)(南西ロンドン、一部サリー北部含む)**

TW:トゥイッケナム(Twickenham)(南西ロンドン、一部サリー北西部とバークシャー含む)

UB:サウソール(Southall)(西ロンドン、北西ロンドン、一部バッキンガムシャー含む)***

WD:ワトフォード(Watford)(ハートフォードシャー南西部、一部バッキンガムシャーとロンドンを含む)

 

* IG:イルフォード(Ilford)の頭文字ILは11やLLと混乱を招くため、Ilford, Greater LondonやIlford and BarkingからIとGが由来と言われています

** SM:SuttonとMorden、またはMertonが由来と言われています

*** UB:アックスブリッジ(Uxbridge)が由来です

 

 

【イギリスの主要都市のポストコード】

BH:ボーンマス(Bournemouth

BN:ブライトン(Brighton)・イーストボーン(Eastbourne)

BS:ブリストル(Bristol)

CB:ケンブリッジ(Cambridge)

CT:カンタベリー(Canterbury)

G:グラスゴー(Glasgow)

HG:ハロゲイト(Harrogate)

LE:レスター(Leicester)・ラフバラ(Loughborough)

OX:オックスフォード(Oxford)

SO:サウサンプトン(Southampton)

 

 

オンライン地図(例:Googleマップ)でポストコードを検索すると、大まかな位置が分かります。

イギリスの通りには必ず名前がついていますが、同じ名前の通り・道もあります。

そのため、地域を区分するポストコードが重要となります。

 

日常会話でも、どこに住んでいるかを話すときにポストコードを言う場面があります。

それくらいポストコードはイギリスでの生活に欠かせないものと言えます。

 

ポストコードは他地域と重複しないため、住所の特定に非常に役立ちます。

 

 

建物の番号はハウスナンバーやドアナンバーと呼ばれます。

大きな建物は「-(ハイフン)」で2つの数字を繋いだハウスナンバーを使います。

 

例えば、在英日本国大使館(Embassy of Japan in the UK)の住所は、

 

101-104 Piccadilly, London W1J 7JT

 

ですので、101番地から104番地にかけて所在している住所ということになります。

常に小さい数字がハイフンの前で、大きい数字がハイフンの後になります。

 

慣例として、住所は「,(コンマ)」で区切りますがポストコードの前のみスペースでコンマを付けないことが一般的です。

 

複数行に区切る場合は、各行の最後のコンマを省略することもできます。

 

Embassy of Japan in the UK
101-104 Piccadilly
London W1J 7JT

 

上記のように、都市名とポストコードを並べて書く方法と、

 

Embassy of Japan in the UK
101-104 Piccadilly
London
W1J 7JT

 

というように1行ずつに区切って書く方法があり、どちらが正解というのはありません。

郵便配達に影響が出ないよう、分かりやすく書くことが大切です。

 

 

日本の住所を英語で書く場合、英語表記で小さい区分から大きい区分の順に書きます。

基本的にローマ字表記で問題ありません。

マンション・アパート等の集合住宅の名称に外来語が使われている場合、元の言語表記に則って書くこともできますが、大切なのは日本で問題なく配達できるようにすること。

英語表記にしても、日本まで届いたら配達は日本の郵便局・配達会社が請け負います。

「マンション」は「Mansion」でも「Manshon」でも構いません。

「都道府県」は「To」、「Do」、「Fu」、「Ken」、英語表記であれば「Prefecture」、もしくは省いても問題なく配達されます。

東京都はTokyo、京都府はKyoto、山口県はYamaguchiと都道府県表記を省いて書くことができます。

北海道のみHokkaidoと「道」を含めて書きます。

 

日本の国会議事堂の所在地(〒100-0014 東京都千代田区永田町一丁目7番1号)を英語表記すると、

 

1-7-1 Nagata-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 110-0014 Japan

 

と書くことができます。

 

住居表示(「一丁目7番1号」の部分)は市区町村の前後どちらでも構わないため、

 

Nagata-cho 1-7-1, Chiyoda-ku, Tokyo 110-0014 Japan

 

と書くこともできます。

 

「市区町村」は日本語のままローマ字表記したものをハイフン(-)で市区町村名に繋げて書くことができます。

「City」、「Ward」、「Town」、「Village」等、英語表記に訳して書くこともできますが、基本的には日本語のままローマ字表記したもので構いません。

上記の「Nagata-cho」も日本語の「町」をローマ字表記しています。

 

なお、郵便記号(〒)は日本でしか通用しませんので、英語で日本の住所を書くときには不要です。

 

 

イギリスの住所を日本語で書く機会もあります。

どんなとき?と思われるかもしれませんが、海外在住の日本国籍の方は日本の行政手続きの書類上、現住所を日本語で書くことが求められることがあります。

在英日本国大使館の窓口ではイギリスの住所を日本語で書く際の案内がありますので、他の在外公館でも同様かと思います。

 

例えば、在英日本国大使館の所在地(101-104 Piccadilly, London W1J 7JT UK)を日本語で書く場合、

 

英国ロンドン市西1区ピカデリー101-104

 

と書くことができます。

 

いかがでしたか。

イギリスの住所の仕組みを知ると、ポストコードだけである程度の位置情報が掴めてイギリスでの生活・観光に非常に役立ちますよ。

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